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ローラS・G2」(27日、東京)
クラシックの舞台へ、名門・友道厩舎から新星が名乗りを上げた。7番人気の
カムニャックが鮮やかに差し切り、重賞初制覇。A・シュタルケ(51)=ドイツ=は17年ニュージーランドT(
ジョーストリクトリ)以来のJRA重賞6勝目。2着の1番人気
ヴァルキリーバースまでオークス(5月25日・東京)への優先出走権を獲得した。3着には18番人気の
タイセイプランセスが入った。また、WIN5は的中がわずか3票で、1億8528万60円の高配当となった。
春風の祝福を受け、
カムニャックが長い府中の直線を力強く駆け抜けた。スケールの大きさを感じさせた昨夏、中京での新馬Vから4戦目でのタイトル奪取。初コンビで、今回の来日では初の重賞勝ちとなったシュタルケは「きょうのレースは
パーフェクト。オークスが楽しみ」とその走りを絶賛した。
スタート後に首を振りながら行きたがる面を見せたが、向正面に入ると落ち着きを取り戻し、中団馬群の真ん中で流れに乗った。直線に向くまでじっと脚をためる。いざ、勝負どころ。進路が開くと大きなス
トライドで一完歩ごとに前との差を詰め、残り100メートル過ぎで抜け出すと後続を寄せ付けず完勝した。
ここ2戦はマイルの距離や道中の折り合いに難を見せたこともあり、持ち味を発揮できなかった。しかし初戦と同じ左回り、2000メートルの距離で息を吹き返した形。シュタルケは「距離が延びるのは問題ない」と、2400メートルの次走にも太鼓判を押した。
人気を裏切る形が続いた直近2戦を経ての鮮やかな変身ぶり。「絶好だった新馬時の体調になかなか戻らなかった。レースで行きたがる面も出てきて。それがここにきて、ようやく戻りつつあった」と友道師。今回12キロ減と数字は大きく減っていたが、体調面の良化を勝因に挙げた。今後の課題は「体を維持できれば。右肩上がりに体調が良くなっているのは確かなので」と4週間後の大一番をしっかりと見据える。
春本番を迎え、本来の輝きを取り戻した関西の素質馬。次は樫の舞台でセンターの座を狙う。