小差でしか勝てなかったイグナイター(左)=撮影・中山伸治
「兵庫大賞典」(5日、園田)
断トツの1番人気に支持された
イグナイターが逃げ切ったが、後続に1馬身1/4差しかつけられない不満の残る結果で、今後の予定に見直しを迫られる事態となった。2着は6番人気の
ドンカポノ、3着には3番人気の
エコロクラージュが入った。
レースで勝利を収めた
イグナイターは、野田善己オーナーが希望したウイニングランでファンにあいさつ。鞍上の笹川翼は自らのゴーグルを観客席に投げ入れてプレゼントまでした。それなのに、陣営の誰もが意気消沈。「行きっぷりが悪い印象しかなかった。3〜4角はあやしかった」と新子雅師。愛馬に好調時の勢いが見られなかった。
スピードの違いを示すために逃げた
イグナイターだったが、走破時計は1分29秒2と平凡な記録。指揮官は「思っていたよりも1秒遅い」と表情を曇らせた。主戦の笹川翼は「最近はレースの終わり方が良くなかったので、馬もメンタル的に難しくなり、反応し切れなかった。これで、今後はいい
イグナイターを見せられれば」と相棒を気遣った。
2月のサウジアラビア遠征のダメージ回復が芳しくない。「前年のドバイと違って、サウジは寒暖差が激しかった。見えない疲れが残っているのか。夏が弱いし、さきたま杯(6月25日・浦和)はパスして、マイルチャンピオンシップ南部杯(10月13日・盛岡)に直行するか。馬の様子を見ながら、オーナーと相談して決める」と新子雅師。年内引退で出走機会の見直しは、出走回数の減少を意味する。地元・園田でのレースはこれで見納めになる。