降雨のなか、アウトレンジ(左)が抜け出し、1馬身半差で快勝(カメラ・高橋 由二)
◆第32回平安S・G3(5月24日、京都競馬場・ダート1900メートル、稍重)
第32回平安S・G3が24日、京都競馬場のダート1900メートルで行われ、4番人気の
アウトレンジ(松山)が1馬身半差をつけ、昨年の浦和記念・Jpn2に続く重賞2勝目を挙げた。
理想通りだった。直線入り口。松山は先行2頭の後ろで脚をためていた
アウトレンジの手綱を動かした。馬場の真ん中を通り、押せば押すほどギアを上げるような加速で反応。粘り込みを狙う前の
レヴォントゥレットをとらえ、後ろから迫る
タイトニットも封じ込む。全く危なげなく先頭でゴールを駆け抜けた。テン乗りだった松山は昨年に続く連覇。「道中でしっかりたまって、最後まで脚を使ってくれました。着差以上に強かったと思います」と笑みを浮かべた。
一方、大久保調教師は自身の最多記録を更新する4勝目。「相性いいですね。芯がしっかりしてきた。母のいいところを受け継いでいます」。未勝利だった母クイーンパイレーツだけでなく、重賞戦線で好走の兄ハピや砂上で無傷3連勝の弟
リトルハピなど4きょうだいをすべて管理。思い入れの強い血で大きな勝利をつかんだ。今後は状態に問題がなければ帝王賞・Jpn1(7月2日、大井)へ。一族初の
ビッグタイトルへ、勢いのままに突っ走る。
(山本 武志)
アウトレンジ 父
レガーロ、母クイーンパイレーツ(父キングカメハメハ)。栗東・大久保龍志厩舎所属の牡5歳。北海道新冠町・(株)ノースヒルズの生産。通算成績は15戦7勝(うち地方3戦1勝)。総獲得賞金は1億6549万5000円(うち地方4000万円)。主な勝ち鞍は浦和記念・Jpn2(24年)。馬主は寺田寿男氏。