「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)
武豊騎手(56)=栗東・フリー=が前人未到のダービー7勝目に挑む。自身36度目の祭典参戦。今年の相棒は、今回が初騎乗となる皐月賞5着馬
サトノシャイニングだ。祖父ディープインパクト(05年)-父
キズナ(13年)から続く親子3代制覇を1人の騎手で成し遂げれば世界初の快挙。衰えを知らないレジェンドがまた一つ、新たな歴史を刻むか-。
さまざまなシーンで歴史を刻んできた武豊。そんな名手でも「やっぱりダービーはワクワクするね」と心を弾ませる競馬の祭典。デビュー2年目の初騎乗から36年。他の追随を許さない最多35回の騎乗、そして6度のVゴールという異次元の記録を持ってしてなお、「何回乗っても何回勝っても、年頭には“今年はどの馬と挑めるかな”ということを考えるね。(ダービーに騎乗できる)18人のなかに入りたいなと思うよ」と熱い思いを口にする。
36度目の参戦となる今年は、05年覇者ディープインパクトを祖父に、13年覇者
キズナを父に持つ
サトノシャイニングの手綱を取る。自身が世代の頂点へと導いた名馬たちの血が脈々と受け継がれている素質馬だ。“親子3代制覇”という前人未到の偉業達成が懸かる一戦に「3頭とも同じ鞍上でとなると、どうやら世界初のようですね」と笑みを浮かべるレジェンド。「自分で勝ったダービー馬の子どもだし、ディープからだからね。勝つことができたらうれしい」と期待を膨らませた。
今回が初コンビ。1週前追い切りで初めてコンタクトを取った。栗東CWの併せ馬では抜群の手応えで鋭い伸びを見せ、
リミットバスター(5歳3勝クラス)に1馬身先着。「もっと乗り難しいのかなと思っていたけど、それほどではなかったですね。さすがにいい馬。きさらぎ賞も強かったですしね。ディープよりも
キズナという感じ」と好感触をつかんだ。
「僕たちジョッキーの明確な目標だから。相手ももちろん強いので難しいだろうけど、勝ちたいね。7勝目」。ダービーの酸いも甘いも知る名手は、誰よりも勝利への道筋を明確に描けているはずだ。