美浦坂路での併せ馬で好仕上がりを示したマスカレードボール(右)
「日本ダービー・G1」(6月1日、東京)
皐月賞3着からの逆転Vを狙う
マスカレードボールは28日、美浦坂路で
レッドベルダンス(3歳1勝クラス)と併せて1馬身先着。ラスト1Fでパートナーの前へ出て、そのまま軽快なフットワークで駆け抜けた。時計は4F52秒3-38秒1-11秒8。
手塚久師は「動き、時計とも今までの坂路調教では一番良かった」と納得の表情で語る。共同通信杯から坂路調教をメインにしたことで精神面の安定が保たれ、実戦でも力を出せるようになった。「ダービーに向けて間違いなくいい方へ向いています」と説明する。心身ともに充実した状態で大一番に臨む。
皐月賞はスタート後に他馬と接触して後方の位置取りになったが、直線では馬群の中から力強く伸びた。師は「1、2着に迫った最後の脚は本物だと感じたし、中身のある競馬でした」と振り返る。満足のいく結果ではなかったものの、次につながるレースはできた。収穫のあった一戦だ。
手塚久師はダービーを勝つと史上5人目のクラシック完全制覇となる。この記録については「意識しています。2年前はしていなかったけど、負けてからの2年間はダービーを勝ちたいと常々思うようになった」と明かす。
23年に皐月賞馬
ソールオリエンスで挑んだ大一番。首差の惜敗が、ダービーという存在をより大きくした。「2年前のリベンジができたらいいなと自分では思っています」と力を込める。そんな師の思いも背負って、
マスカレードボールが夢の大舞台に立つ。