日本ダービーから約2時間後、佐賀競馬場でも3歳頂上決戦が行われる。「九州優駿栄城賞」は当地のホースマンにとって栄誉ある一戦。ある陣営は2歳時から「騎手も調教師も栄城賞をまだ勝ったことがないから、この馬で何としても勝ちたい」と話し、ある馬はデビュー2カ月の新人騎手と大金星を狙う。有力馬を見ていこう。

　佐賀三冠初戦の佐賀皐月賞を勝ったのはムーンオブザエース。好ダッシュから3番手につけると、直線では後続とのリードを広げて勝った。2歳時は2着も多く、3歳初戦の佐賀若駒賞は4コーナー先頭で勝ったかに思われたが、勝ち馬にクビだけ差されて2着。しかし、その後の飛燕賞で重賞初制覇を果たすと、それ以降は同世代相手に負けなし。佐賀皐月賞上位組の好走率は高く、ここでも中心となるだろう。

　新興勢力として現れたのはツモ。デビュー2戦目から5連勝中で、特にここ3走は圧勝続きだ。その3戦はいずれも新人騎手が乗っていたため3kg減の恩恵があったにせよ、後方から一気に捲る脚は素晴らしい。前哨戦・鯱の門特別を勝っての参戦で、同レース勝ち馬からはテクノゴールドが一昨年、九州ダービー栄城賞(当時)を制覇している。今回も続けてルーキー・長谷川蓮騎手が騎乗。日々の調教から同馬とはコンタクトを密にとっており、自厩舎の有力馬とともにデビュー2カ月で大金星を狙う。

　巻き返しを狙うのはミトノドリーム。JBC佐賀当日の最終レースに行われたネクストスター佐賀を快勝した馬で、レース後には育成牧場で乗り込まれて馬体はパワーアップして帰ってきた。ところが、休養明け初戦のネクストスター西日本、続く佐賀皐月賞ともにレース前からテンションが高く、それが大きく影響して6着、2着と敗れた。当日のパドックでのテンションが鍵となるが、落ち着きを取り戻せていれば巻き返せるだけのポテンシャルは秘めている。

　ハクアイアシストはのちの佐賀皐月賞馬を差し切って重賞制覇を果たした馬。佐賀皐月賞では1コーナーで外に膨れた馬の影響を受けて距離ロスがあったため、9着という着順は参考外でいいだろう。佐賀ダート2000mは差し馬の勝利も多いことから、アオイノユメにも注目だ。

　他にもまだまだ注目馬が多くいる一戦で、目移りする。そんな時、予想の一助となるのが「AIパッカル」。先週土曜日には11レース中5レースで的中し、中には3連単万馬券も含まれていた。さがけいばのマスコットキャラクターに扮したAIにもぜひご注目を。

　九州優駿栄城賞当日には、佐賀競馬場からほど近い福岡県久留米市の出身で、くるめふるさと大使を務める俳優の財木琢磨さんが来場。予想トークショーなどが実施される。詳しくはさがけいばHPをご覧ください。

（文・大恵陽子）

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