「スパーキングレディーカップ・Jpn3」(9日、川崎)
南関東で一気に覚醒だ。2番人気の
フェブランシェが積極策で古巣JRA勢を撃破。4年ぶりに地方勢にVをもたらし、自身初の交流重賞制覇となった。5番人気の
ライオットガールが2着。重賞3連勝を狙った1番人気の
テンカジョウは3着と伸びを欠いた。
行く気にはやるパートナーをがっちり抑えた鞍上。まさに人馬一体の結晶が勝利に結びついた。
逃げた
ニシノカシミヤの2番手につけた
フェブランシェだが、抑え切れないとばかりに向正面半ばでかわして先頭へ。一気に4、5馬身の差をつけて直線へ。猛然と迫るラ
イバルたちを尻目に、鞍上の右ステッキにもうひと踏ん張り。最後は1馬身半差をつけた。
吉原寛は「すごくいい走り。勝ててうれしい」と満面の笑み。前日には地元の金沢で重賞を勝って来たばかり。連日のお立ち台に「斤量差もあったし、それを生かしたかったので早めに動いた。直線で遊ぶところがあるので、そのあたりに気を付けて。よくしのいでくれましたね」と相棒をたたえた。
これで自身は地方競馬での通算重賞190勝目。目標とする大台が視界に入ってきた。そして木曜は門別、金曜は園田での重賞騎乗が待っている。先月は新記録の6勝をマークした“重賞ハンター”は「このメンバーでダート
グレードを獲れた。さらに上に挑戦して勝ちたい。(自身の重賞も)今月は七つ勝つ予定です」と笑いが止まらない。
藤田輝師にとっても開業17年目で悲願の交流重賞Vだ。「やっと勝てました。うれしいですね」と感慨深げ。昨年
キャリックアリード2着の悔しさも晴らした。姉に凱旋門賞4着の
スルーセブンシーズを持つ良血。JAR3勝クラスから転入4戦目で、前走しらさぎ賞に続く南関重賞3勝目は交流重賞2度目の挑戦V。まさに水を得た魚。540キロ台の大柄な芦毛の5歳牝馬が、さらなる高みを目指して、新天地で持てる
スピードに磨きをかけていく。