【アイビスSD】脚質転換のピューロマジックがJRA史上最速の上がり31秒3で重賞3勝目 ルメール「すごくいい脚」

2025年08月04日 06:10

タイレコードでアイビスSDを制したピューロマジック(右)(カメラ・荒牧 徹)

◆第25回アイビスサマーダッシュ・G3(8月3日、新潟競馬場・直線芝1000メートル、良)

 サマースプリントシリーズ第3戦、第25回アイビスSD・G3は、新潟競馬場の直線芝1000メートルで行われ、2番人気のピューロマジックと初コンビのクリストフ・ルメール騎手(46)=栗東=がJRA史上最速の上がり3ハロン31秒3を引き出し、JRAレコードタイの53秒7で勝利した。

 名手の手綱さばきが究極の切れ味を引き出した。残り300メートル付近で中団からスパートしたピューロマジックは、馬場のど真ん中を鋭く突き抜けた。最後は外で踏ん張るテイエムスパーダを首差で退けて、02年にこのレースでカルストンライトオがマークしたJRAレコードタイの勝ち時計53秒7をたたき出した。ルメールは「ラスト300メートルはすごくいい脚を使ってくれました。勝ててよかったです」と目を輝かせた。

 脚質転換を図り、見事に新たな一面を見せた。以前はあふれるスピードで逃げが身上だったが、初の海外遠征だった前走のアルクオーツスプリントでは控える競馬を試みて、5着ながらゴール前で鋭い伸び脚を見せていた。この日は6番枠からスッと外の馬群に取りつき、うまく前に壁をつくって脚をためると、JRA史上最速となる上がり3ハロン31秒3の爆発的な末脚を発揮。今回が初コンビの鞍上は「壁をつくれたので彼女は落ち着けた。彼(安田調教師)の指示通りに乗りました。グッドスチューデント(いい生徒)です、俺は」と、満点騎乗に笑った。

 同馬は24年の北九州記念以来となる白星。初めての千直でうれしい重賞3勝目となった。臨場していた中京競馬場でレースを見守った安田師は「レースだけではなく、ゲートに行くまでエキサイトさせないようにいってくれました。夏で体調がいいので、気持ちにゆとりがあるのだと思います」とジョッキーをたたえた。

 今後は昨年8着だったスプリンターズS・G1(9月28日、中山)に2年連続で参戦する方針だ。指揮官は「サマーシリーズにこだわってはなく、スプリンターズSに直行します」と明言。新たな輝きを宿して、秋の“電撃6ハロン戦”へ突っ走る。(坂本 達洋)

 ◆上がり3ハロン史上最速 これまでの最速は22年5月22日、韋駄天S(新潟・直線芝1000メートル)のルッジェーロ(5着)と同7月30日、2歳新馬戦(新潟・芝1600メートル)のリバティアイランド(1着)が記録した31秒4。

 ◆ピューロマジック 父アジアエクスプレス、母メジェルダ(父ディープインパクト)。栗東・安田翔伍厩舎所属の牝4歳。北海道新冠町・村田牧場の生産。通算14戦5勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は1億5910万6100円(うち海外706万6100円)。主な勝ち鞍は葵S・G3、北九州記念・G3(以上24年)。馬主は(株)スリーエイチレーシング。

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