◆札幌記念追い切り(13日、函館競馬場)
週末2重賞の追い切りが13日、各地で行われた。サマー2000シリーズ第4戦、第61回札幌記念・G2(17日、札幌)で復活を期す
ステレンボッシュは、新コンビの池添謙一騎手(46)=栗東・フリー=が手綱を執り、上々の走り。桜花賞馬の輝きを取り戻すべく策を尽くす陣営を、
ヤマタケ(山本武志)専門委員が「見た」。同レースに参戦する
ヴェローチェエラ、そしてサマーマイルシリーズ第3戦の第73回中京記念・G3(17日、中京)に出走する
キープカルムは、勝てばそれぞれシリーズVが決まる。
牝馬は一度リズムが乱れると難しい、とよく言われる。昨年まで国内外のG15戦を含む8戦で4着以下のなかった
ステレンボッシュが今年は13、8着と完敗続き。正直、信じられない。その理由を考えると、やはり繊細なメンタルでは、という結論に行き着いてしまう。
初コンビとなる池添も丁寧なコンタクトを心がけた。「角馬場で気が入っていた。(追いかける馬と)近すぎるとかむところがありそうなので、離していきました」。函館・ダートコースで内から
サマースピリット(3歳未勝利)を4馬身半追走。直線はほぼ手綱を動かさず、1馬身前に出た。力まず、体の軸もぶれず、さすがメンバー唯一のG1馬と伝わる
バランスのいいフォームで5ハロン66秒3―11秒8。「4角で並んでいく時はいい感じ。しっかり走れていました」と納得の表情を浮かべた。
厩舎も細心のケアで仕上げる。今週はコーナーのきついWコースではなく、より広いコースでのびのび走らせることを優先して、ダートコースを選択。さらに、今日14日には札幌に移動する。「大阪杯は前日輸送で、到着してから体が減ったんです。今回は向こうに行ってから時間もあるので、環境に慣れてくれれば」と田村助手。走りやすい状況をつくるため、さまざまな工夫を凝らしている。
前日輸送で本調子を欠いた大阪杯に、決して適距離とは思えなかったヴィクトリアマイルでも8着とはいえ0秒3差だった。「走りや動きは良かった。状態はいいと思います」と池添。本来の走りを取り戻すため、大一番にめっぽう強い鞍上と、G122勝中17勝を牝馬で挙げる名門厩舎がコンビを組んだ。見限るのは、まだ早い。(山本 武志)