昨年までアイルランドトロフィー府中牝馬Sの名称で行われていたレースで、今年から「アイルランドトロフィー」と名前が変わったものの、施行時期も含めレースの性格に変わりはない。優勝馬にはエリザベス女王杯への優先出走権が与えられるレースで、過去10年でこのレースからエリザベス女王杯へと向かった馬は[4-6-1-42]だから、しっかりと見ておきたいレースだ。舞台となる東京競馬場芝1800mは2角奥に設けられたポケットからスタートして、ゆるかなカーブを描きながら向正面入り口に合流して3角へと向かう。枠順による有利不利はほとんどないが、長い
バックストレッチを走るだけにハイペースにはなりにくい。
◎
セキトバイーストは春に行われた「府中牝馬S」優勝馬。このレースは途中でラップが緩まず、おまけに最後の直線は向かい風というタフな流れになったが、55.5kgのハンデを課せられながらも早めに進出し、最後は早めに抜け出した馬をねじ伏せ、追い込む2、3着馬を寄せ付けなかった。チューリップ賞は
ハイラップを刻んで2着、ローズSは大逃げを打って3着と自分で競馬を作る事も出来るのは武器。相性の良い浜中騎手が引き続き手綱を取ってくれるのも心強い。
〇
アドマイヤマツリは福島牝馬S優勝馬。初勝利が3歳6月と遅れたが、そこからはほぼ
ノンストップで重賞ウイナーの仲間入りを果たした高素質馬。前走のヴィクトリアマイルは半マイル通過45.4秒という速い流れを2番手で追走し、前を追ったが伸びきれず7着。機動力を兼ね備え、総合力の高い馬だが、初めて経験するマイル戦の流れに戸惑ったようにも見えたが0.3秒差なら悲観する必要はない。東京競馬場芝1800mコースは[2-2-0-0]。巻き返しを期待したい。
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ボンドガールは1600〜2000mの重賞で2着6回。前走の関屋記念は牡馬を相手に56kgのハンデを背負い、半マイル通過45.5秒という速い流れを中団待機。馬群の中でしっかりと脚を溜めると、最後は縫うように伸びてレコード決着と同タイムの2着同着だった。どんな位置からでも競馬が出来るレースセンスの持ち主で、改めて高い能力を見せてくれた。秋華賞2着があるくらいだから、1800mの距離はマイナスにはならないはずだ
△
ラヴァンダは仲秋S優勝馬。休み明けで、ベストとはいえない距離だったが、強い内容だった。春の府中牝馬Sは0.3秒差3着。この時はまだ3勝クラスからの格上挑戦だったが、今度はもう少し差を詰められそうだ。
ヴィクトリアマイル4着、クイーンC2着の△
ドゥアイズは芝コースで見直しが必要で、関屋記念をレコード勝ちした△
カナテープとまだ底を見せていない△
アンゴラブラックのレースぶりにも注目したい。