◆第68回スワンS・G2(10月13日、京都・芝1400メートル、良)
第68回スワンS・G2は13日、京都競馬場で行われ、5番人気の
オフトレイル(菅原明)が後方から鋭く差し切り、1分18秒9のコースレコードで重賞2勝目を挙げた。優先出走権を取ったマイルCS(11月23日、京都)でG1初制覇を目指す。
ため込んだエネルギーを、一気に解き放った。11番手を追走していた
オフトレイルは抜群の手応えで直線を迎えると、前がクリアになってから追い出しを開始。追えば追うだけ伸びる強じんな末脚で、ゴール前の大接戦から抜け出した。従来のレコードを10年ぶりに0秒1更新する見事な走りに、菅原明は「当初の予定とは違ったレースで、どうしようかと思ったがよく走ってくれた」と胸をなで下ろした。
やや後手に回り、想定した位置よりも後ろになったが、継続騎乗でもあり癖は把握していた。少し促して馬の後ろに収まると、折り合いもスムーズ。力を引き出すことに成功した。「新潟(前走の関屋記念)で悔しい競馬をしたので、結果を出せればと思っていた」と鞍上。コースレコードで勝った
カナテープと同タイムで走りながら首差の2着同着だった敗戦から巻き返した。
コースレコードタイで制した昨年のラジオNIKKEI賞(福島)以来、2つ目のタイトル。JRA通算300勝となった吉村調教師は「最高の形で賞金を加算できた」と満面の笑みだった。春は高松宮記念14着など結果が出なかったが、「1200メートルを使った経験が生きている。無駄ではなかった」と成長を喜んだ。
昨年は首差2着に泣いたレースをしっかりと勝ち切った。「まだ4歳で成長力もある。何ともなければ、マイルCSへ行きます」と指揮官はG1参戦を明言。7戦3勝、2着3回、3着1回の“京都の鬼”が、マイル王に名乗りを上げた。(山下 優)
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オフトレイル 父
ファー、母ローズトレイル(父キングマンボ)。栗東・吉村圭司厩舎所属の牡4歳。英国・ゴドルフィンの生産。通算15戦4勝。総獲得賞金は1億8645万8000円。主な勝ち鞍はラジオNIKKEI賞(24年)。馬主はゴドルフィン。