幾多のスターホースを送り出してきた重賞「第61回京王杯2歳S」が8日、東京競馬場で行われた。単勝1・8倍の断然1番人気
ダイヤモンドノットが2番手から楽に抜け出し、重賞初挑戦で初制覇。G1朝日杯FS(12月21日、阪神)に向けて名乗りを上げた。2日の天皇賞・秋までJRA・G13週連続Vの絶好調ルメールは5度目の京王杯2歳S制覇となった。
見事なまでの絶好調男の手綱さばき。ルメールは初騎乗の
ダイヤモンドノットを一瞬で手の内に入れ、華麗に操った。好スタートから瞬時に2番手を奪った時点で勝負あり!逃げる
ルートサーティーンを直線半ばで悠々と抜き去り、2着
フクチャンショウに3馬身差圧勝。断然1番人気にふさわしい横綱相撲だった。
涼しい顔で引き揚げてきたルメールは「楽勝でしたね。良かったです」とニッコリ。これで京王杯2歳Sは17年
タワーオブロンドンなど実に5度目の制覇。自身が持つ同レースの騎手最多勝利記録を更新した。JRA重賞制覇も秋華賞(
エンブロイダリー)→菊花賞(
エネルジコ)→天皇賞・秋(
マスカレードボール)に続き4週連続。「スタートがとても良かった。前半は自分のペースで走れましたし、我慢ができて、2番手で走れました。坂を上がってからの手応えも良かったし(道中が)精いっぱいじゃなかったので、もう一度伸びてくれた。能力あります」と称賛した。
トレーナーとしてJRA重賞3勝目の福永師は「中2週で
テンションが心配でしたけど、ジョッキーが(レース前の)ポケットでうまくなだめてくれました」と、まず鞍上に敬礼した。近親には同じ勝負服で16年ダービーを制した
マカヒキがいる良血。重賞初Vを飾り、今後はG1朝日杯FSの夢も膨らむ。指揮官は「1400メートルで1、2、1着と上手に走ってくれ、一番合う条件だと思います。ここまで5戦しているので無理はさせたくないですが当然、視野に入っています。レース後の状態を見極めて考えます」と細心の注意を払いつつ、2歳王者を見据えた。京王杯2歳Sは怪物グラスワンダーが勝ち、昨年の優勝馬
パンジャタワーは今春NHKマイルCを制した出世重賞。その将来はダイヤモンドのようにキラキラと明るい。
ダイヤモンドノット 父
ブリックスアンドモルタル 母エンドレスノット(母の父ディープインパクト)23年3月29日生まれ 牡2歳 栗東・福永厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道平取町の坂東牧場 戦績5戦2勝(重賞初勝利)総獲得賞金5335万4000円 馬名の由来は紐(ひも)の端に飾りの輪をつくるための結び方。