インから鋭伸。ラストランVを飾ったカンパニー〈4〉(〈13〉は2着マイネルファルケ、〈15〉は3着サプレザ)
今年のマイルCS・G1(11月23日、京都競馬場・芝1600メートル)は、どんなドラマが生まれるのか。過去の名勝負・09年のカンパニー勝利を振り返る。
毎日王冠、天皇賞・秋で
ウオッカを破り、断然の1番人気に推されたカンパニー(横山典)が、直線で力強く抜け出し、自身の引退レースを勝利で飾った。静かに降る雨に打たれて迎えた直線。脚をためていたカンパニーの視界が開けると、行く手を遮る馬は、1頭もいなかった。抵抗する
マイネルファルケをきっちりと捕らえ、外の追撃も抑え込んで、完勝のゴール。道中は我慢して、最後に花開く―。自身の競走生活を思わせる走りで、引退レースを鮮やかに飾った。
「素晴らしい馬。ラストランを飾れてホッとしています」。横山典は感謝を込め、パートナーをねぎらった。8歳秋。とうてい上積みが見込める年齢ではないのに、最後の最後に、また状態が上がっていた。「天皇賞の時より、雰囲気は良かった。僕が乗った中では一番。何の不安も持たずに乗った」。人馬は自信に満ちあふれていた。
3歳1月にデビューして、約6年。大レースで善戦止まりだった馬が、この秋はG1連勝を決めた。「例年、夏を越すのに苦労していたが、今年は(放牧先の)グリーンウッドで、冷房の効く馬房に入れた」(音無調教師)。これが効果てきめんだった。万全の体調で迎えた今秋、破竹の3連勝。トレーナーは「天皇賞の状態を維持すれば、好結果が出ると思っていた」と胸を張った。恐るべき8歳馬とともに、横山典の熟練の手綱さばきが光った。音無師は「スタート後、少しだけ行かせて、好位置をキープしていた。本当にうまく乗ってくれた」と絶賛した。
このレースをもって競走馬を引退し、種牡馬に。代表産駒には
ウインテンダネス(18年目黒記念勝ち馬)などがいる。