11月26日(水)に浦和競馬場で行われる浦和記念(3歳上・JpnII・ダ2000m)。東京大賞典へのステップレースとされ、上位2着までに入った地方所属馬には、同レースへの優先出走権が与えられる。

　実力拮抗のメンバーで争われることが多く、馬券も一筋縄ではいかない。昨年も川崎のライトウォーリアが2着に入ったように、地方馬であっても侮れず。前哨戦を制したスレイマン、ダート三冠で存在感を示したナイトオブファイアなどが強敵を撃破するのか。それとも、前走で初タイトル獲得のホウオウルーレット、重賞で好走を続けるロードクロンヌなど中央馬が意地を見せるのか。発走予定日時は26日(水)の17時45分。主な出走予定馬は以下の通り。

■ホウオウルーレット(牡6、美浦・栗田徹厩舎)

　半兄は東京大賞典4連覇を達成したオメガパフューム。デビューからダート中距離戦で実績を積み、通算25戦で二桁着順は2回のみと安定して走っている。タイトルにはなかなか手が届かなかったが、前走のシリウスSでは最後方から豪快に差し切り、待望の重賞初制覇を飾った。小回りの浦和コースとあって、今回は仕掛けどころがカギか。早めの競馬で克服し、重賞連勝といきたい。

■ロードクロンヌ(牡4、栗東・四位洋文厩舎)

　デビュー5戦目までは芝で走り、3着が最高と勝ちきれなかったが、ダートに替わって才能開花。未勝利戦を5馬身差、1勝クラスを2馬身半差、2勝クラスを8馬身差、3勝クラスを5馬身差で勝利と、圧巻の走りでOP入りを果たした。昇級後も重賞で3着、2着、2着、3着と安定感を発揮。前走のみやこSは後方から運んだが、本来は先行力もあるタイプで、地方の馬場も気にならないだろう。

■デルマソトガケ(牡5、栗東・須貝尚介厩舎)

　22年の全日本2歳優駿、23年のUAEダービーを制すなど若くして頭角を現し、同年のケンタッキーダービーで6着、BCクラシックで2着と、ダート競馬の本場でもトップクラスの実力を見せた。だが、その後は白星から遠ざかっており、復活の機会をうかがっている。団野大成騎手も2度目の騎乗で、馬のクセもつかんだはず。初コース参戦もきっかけに輝きを取り戻し、ふたたび大舞台を目指したい。

■クラウンプライド(牡6、栗東・新谷功一厩舎)

　23年、24年にコリアCを連覇するなど、これまでに重賞3勝を挙げている。また、22年のJBCクラシックなど、GI/JpnIでも3度の3着がある実績馬。前走の南部杯こそ9着と崩れたが、今夏のマーキュリーCでは0.2秒差の2着とその実力に陰りなし。今回はJpnII戦とはいえ、いくらか相手関係には恵まれた印象。約1年2カ月ぶりの白星を挙げて、暮れや年明けのレースへとつなげられるか。

■スレイマン(牡7、大井・藤田輝信厩舎)

　牝馬三冠馬のジェンティルドンナを半姉に持つ良血馬。デビュー3戦目でダートに転じて白星を重ね、路線変更から1年足らずでOP入りを果たした。24年にはGIII/JpnIIIで3度の2着と見せ場。今年のエルムSを最後に大井競馬へ移籍したが、転入初戦の埼玉新聞栄冠賞で4馬身差の圧勝を飾り、浦和コースにも高い適性を示した。初タイトル獲得の勢いにも乗って、ダートグレード競走も制覇なるか。

■ナイトオブファイア(牡3、大井・渡辺和雄厩舎)

　デビュー4連勝を飾り、いずれも上がり最速をマーク。京浜盃で3着と、若くから高い素質を見せた。ダート三冠では2着、4着、7着で、ビッグタイトルには手が届かなかったが、その間に戸塚記念で初タイトルをゲット。今回は初めての古馬対決となるが、54kgの軽斤量を生かして上位進出を狙う。三冠戦線で後塵を拝したナチュラルライズやナルカミに追いつくために、結果を出したい。

■マルカンラニ(牡5、大井・高野毅厩舎)

　2戦目から松崎正泰騎手が手綱をとり、下級条件からコツコツと白星を積み重ねてきた。重賞初挑戦となった前走の東京記念は、B1・B2特別を勝ったばかりで、格下感も否めなかったが、終わってみれば5馬身差の圧勝。デビュー20年目の鞍上にとっても、うれしい重賞初制覇となった。今回はダートグレード競走とあって、相手も格段に強くなるが、人馬一体の走りで強敵を撃破するか。

(文：中川兼人)