◆第45回
ジャパンC・G1(11月30日、東京競馬場・芝2400メートル)=11月25日、東京競馬場
これが欧州最強馬のポテンシャルか。
カランダガン(セン4歳、仏F
グラファール厩舎、父
グレンイーグルス)は、帯同馬と共にダートコースでダクから早めのキャンターを実施。460キロ程度の中型馬だが、四肢は
チーターのように大きく躍動していた。ロベル助手の「非常に状態がいい」という言葉もうなずける。筋肉の上質な柔らかみはほれぼれするほどだ。
今年6月のサンクルー大賞から、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、英チャンピオンSとG1を3連勝。そのどれもが完勝で、倒してきた相手も
レベルスロマンス、オンブズマン、
ドラクロワといったトップホースたちなのだから、押しも押されもせぬナンバーワンだ。その強みを、2歳から調教にまたがっている同助手は「末脚の加速力と、非常に乗りやすいところ」と分析。充実のシーズンを「3歳のときは気むずかしさもあったが、4歳になりフィジカル面が美しくなり、メンタル面でも集中力が出てきた」と納得の表情で振り返った。
ただ、
ジャパンCは欧州馬にとっては高い壁だ。勝利は05年のアルカセットまでさかのぼり、馬券内も06年の
ウィジャボード(3着)が最後。
カランダガンと同じ同年の欧州年度代表馬も過去3度出走したが、全て敗れている(92年
ユーザーフレンドリー6着、96年エリシオ3着、
ウィジャボード)。「日本の馬のレベルはここ15年で格段にあがっているし、輸送もある。難しいのは確か」と同助手も前置きしながら「芝は合っていると思う」と課題の馬場適性には自信をのぞかせた。
3月のドバイ・シーマクラシックでは
ダノンデサイルの2着に敗れているが「当時は休み明けで100%ではなかった。今回は前走と同じ100%の状態。
ダノンデサイルも素晴らしい馬だけど、リベンジの準備はできている」と闘志を燃やし「
カランダガンのことはよく分かっているから」と力を込めた。最強の走りで王者の実力を証明する。(角田 晨)
田中博調教師が見学
○…
カランダガンの調教を田中博調教師(39)=美浦=も見学。「せっかくの欧州最強馬なので、ここ3日間見させていただきました。とても軽くていい馬ですね」と動きにほれぼれ。「これだけの馬が来ることに価値があると思います」と、騎手時代からフランスに縁が深く、今年は
アロヒアリイで凱旋門賞に参戦したトレーナーも感激を口にした。