開催へ向けての条件がそろうのかどうか。ギリギリのタイミングまで情勢を見極めていたJRAが22日、苦汁の決断を下した。節電に最大限の協力をしなければならず、計画停電の時間がはっきりとしない電力状況などの問題があるなかで、公正競馬が確保できるのか-。「状況は少しは改善されてきているとはいえ、もし停電ということになると開催に混乱をきたす。まだ、ファンが安全に競馬を楽しめる状況ではない。被災地の復興や被災者にも迷惑はかけられない」と広報担当の小畠薫理事は、安定的な競馬施行に支障が生じる恐れがあることから、春の中山&福島開催の中止決定に至った理由を説明した。
3月いっぱいの中止が既に発表されている、北海道を除く東日本地区の競馬場、ウインズなどでの馬券の現金投票や払い戻し、また携帯電話によるIPAT方式、電話投票(ARSおよびPAT方式)での発売の再開に関しても、通信ネットワークの確保などの問題から「まだ判断はできない」(同理事)と、依然として不透明。競馬業界はいま、相当な苦境に立たされている。
提供:デイリースポーツ