栗東坂路で力強い脚さばきを見せたローズキングダム(右)
秋の始動戦を迎えるローズキングダムの最終リハは栗東坂路。上村(レースは後藤)を背にアイアンルック(5歳1600万下)追走する形で勢い良くスタートし、徐々に四肢の回転数を上げる。軽く気合をつけられると、最後まで鋭い伸びを披露。ステッキを抜かれることなく、4F51秒1-37秒8-12秒8の自己ベストを記録した。
見届けた橋口師は「順調にきている。思っていた通り」と合格点を与えた。右にもたれる癖も「右手前だと右に行くところがあるが、左手前になったら真っすぐに走った」と想定の範囲内。天皇賞・秋以降は短期免許で来日するメンディザバルが騎乗する予定だが、今回手綱を取る後藤にも「(ダービーで)2着だったからな」と期待は大きい。
最大の不安は斤量だ。「59キロとの戦いだな。切れ味勝負の馬だし、だいぶ鈍るから。体もないしね」と慎重に話す。57キロ以下の斤量では[5-2-1-1]と実績を残すが、58キロ以上になると[0-0-2-2]と苦戦傾向。ただ、その課題をクリアできれば、秋のGI戦線への見通しは明るくなる。「59キロを克服すれば楽しみ」と前向きさを忘れない。
今年は4戦して未勝利だが、これが本来の力ではない。前哨戦とはいえ、最強4歳世代を引っ張ってきた一頭として真価を見せたい。「GI馬もいるし、運が悪かったら負ける。ただ、力さえ出せれば運もついてくる。力は出せる仕上がりだと思っています」。弾みをつけたい一戦。勝利こそが王国復活への礎となる。
提供:デイリースポーツ