今週末、中央競馬の重賞レースは、5月12日(日)に東京で春の女王決定戦・ヴィクトリアマイル、前日11日(土)に同じく東京で安田記念の前哨戦・京王杯スプリングCが行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。

■5/12(日)　ヴィクトリアマイル(4歳上・牝・GI・東京芝1600m)
　サウンドオブハート(牝4、美浦・松山康久厩舎)は、2011年の阪神JFで1番人気に推され3着、翌年の桜花賞では4着。その後は骨折で半年以上の休養を強いられたが、復帰後は前走・阪神牝馬Sでの完勝など4戦3勝と波に乗っている。マイル近辺はベスト条件でもあり、2歳時から期待された素質馬が初戴冠を狙う。

　ヴィルシーナ(牝4、栗東・友道康夫厩舎)は、昨年の桜花賞・オークス・秋華賞でジェンティルドンナとの直接対決ですべて2着。雨にも泣いたが、エリザベス女王杯でまた2着と、地力をアピールする形になった。強豪牡馬相手の大阪杯を一叩きし、悲願のGI制覇なるか。

　ハナズゴール(牝4、美浦・加藤和宏厩舎)は、年末のリゲルS、年明けの京都牝馬Sを連勝。3歳春のチューリップ賞で、ジェンティルドンナを一蹴したキレ者がようやく安定してきた。賞金的にも余裕のあった前走・阪神牝馬Sでは4着止まりも、当面の大目標で本領を発揮したい。

　マイネイサベル(牝5、美浦・水野貴広厩舎)は、昨秋の府中牝馬Sの覇者。エリザベス女王杯では7着に敗れたが、今年に入って中山牝馬Sを完勝し、56キロで出走した前走・福島牝馬Sでも2着と安定感が出てきた。ここまで20戦4勝、うち3勝が重賞勝ちという稀な勝負強さと確かな末脚で上位進出を窺う。

　レインボーダリア(牝6、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)は、昨年のエリザベス女王杯で初重賞・初GI制覇をやってのけた。その前哨戦・府中牝馬Sでも追い込んでの4着としており、東京コースへの不安も少ない。久々の前走・マイラーズCでは、牡馬の一流どころを相手に0.3秒差の7着としており、牝馬同士なら上積みが見込まれる。

　ジョワドヴィーヴル(牝4、栗東・松田博資厩舎)は、母ビワハイジでGI6勝を挙げたブエナビスタの半妹。2011年の阪神JFを新馬勝ちのみのキャリアで制したが、昨年春に骨折が判明。今年の京都記念で復帰し7着、前走・中日新聞杯では後方待機策から6着。実績豊富なマイル戦に戻るここは、格好を付けたいところ。

　その他、昨年の秋華賞3着馬で末脚自慢のアロマティコ(牝4、栗東・佐々木晶三厩舎)や、差し脚はここでも脅威のイチオクノホシ(牝4、美浦・矢野英一厩舎)など、古馬牝馬の実力馬が一堂に参戦する。発走は日曜の15時40分。

■5/11(土)　京王杯スプリングC(4歳上・GII・東京芝1400m)
　サダムパテック(牡5、栗東・西園正都厩舎)は、昨秋の天皇賞・秋で8着としたあと、マイルCSで嬉しいGI初優勝を飾った。年末の香港マイル(6着)以来の実戦になるが、昨年優勝のこのレースなら休み明けでも好勝負に持ち込みたい。

　ダイワマッジョーレ(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)は、マイル路線に駒を進めた東京新聞杯と、前走・ダービー卿CTではゴール前で鋭い伸び脚を見せて連続2着。脚質的には東京コース向きという印象だけに、引き続きの好走が期待される。

　トウケイヘイロー(牡4、栗東・清水久詞厩舎)は、2011年朝日杯FSで4着など早い時期からオープンで健闘していたが、賞金加算のタイミングが合わずにその後は条件戦回りを続け、前走・ダービー卿CTで重賞初制覇。安定した先行脚質と、豊富な距離実績からも上位争いが見込まれる。

　サンカルロ(牡7、美浦・大久保洋吉厩舎)は、今年に入って阪急杯4着、高松宮記念9着と実力馬とすると物足りないレースが続く。京王杯SCでは、2010年2番人気、11年、12年は1番人気に推されるも結果を残せていないが、どうにか浮上のキッカケを掴みたい。

　テイエムオオタカ(牡5、美浦・石栗龍彦厩舎)は、好メンバーが揃った昨年末の阪神C(18着)から間隔を空けて挑んだ前走・春雷Sで勝ち馬からタイム差なしの3着と好走。ここは再度相手強化の一戦になるが、果敢な先行策で一発を狙う。

　その他、今年に入り京都金杯2着、東京新聞杯3着と連続好走中のトライアンフマーチ(牡7、栗東・角居勝彦厩舎)や、マイル重賞3勝を挙げたダイタクリーヴァの全弟シャイニーホーク(牡5、栗東・橋口弘次郎厩舎)など、安田記念に向けても注目集まる一戦。発走は土曜の15時45分。