今週は好天が続いた栗東。坂路ではウッドチップ入れ替えの作業がほぼ終わり、Cコースでもウッドチップが入れ替えられているところ。そして、雨の影響を受けていないということで、ウッドチップ馬場に関しては時計が掛かる状態ということはない。
【坂路/4F51.9秒】
8日の一番時計を見ると、
サイズミックレディ(栗東・田所秀孝厩舎)の4F51.7秒。これに
サダムパテック、
フィールドシャイン(ともに栗東・西園正都厩舎)の計3頭が51秒台。これだけを見てしまうと、時計が掛かっているようにも思えるが、4F52秒台は非常に頭数が多く、単純に51秒台の速い時計を出すような馬がいなかっただけだろう。時計の掛かる馬場状態であれば、53秒台、54秒台がズラリ多くなるということを頭に入れておくべきだ。
実際、9日の一番時計は4F50.6秒のアンベルブライベン(栗東・福島信晴厩舎)。そのラップが13.3〜12.8〜12.3〜12.2秒なのだから、馬場が重いわけがない。
9日に追い切った中で紹介したいのは、おじにフジキセキがいる、2歳新馬
サトノバリアント(栗東・安田隆行厩舎)。今朝は
カレンマタドール(栗東・安田隆行厩舎)に先行する形だったが、終始余力ある手応えで同入。4F55.9〜1F13.2秒をマーク。全体的に新馬戦の調整が遅れ気味の栗東だが、その中でトップを走るのがこの馬だろう。すでにデビュー戦も6月1日(土)阪神芝1600mと決まっており、今からレースが楽しみな仕上がりとなっている。
先週の馬場差は「+0.3秒」だったが、今週は「時計が出る馬場差」にしてもいいくらい。ただ、4F50秒台が2日で1頭しかいない以上、マイナスの馬場差はつけることができないので、『+0.0秒』で馬場差を計測している。
【CW/5F66.5秒】
8日のトレセンニュースでお伝えしたが、
エピファネイア(栗東・角居勝彦厩舎)が6F76.7秒という、破格の時計をマークしたのが、今週のCコース。引っ掛かっていなければ、併せ馬でもなかった状況でこの時計は本当に速かったのだが、軒並み好時計が出る馬場であったことは間違いない。
今週は時計判断が難しくなりそうだが、時計も含めて、実際の動きで目立っていた馬名を挙げると、3F36.0〜1F11.8秒で加速力が素晴らしかった
ベストサーパス(栗東・藤岡健一厩舎)、少し行きたがりながらも、最後まで脚色しっかりしていた
プリンセスジャック(栗東・加用正厩舎)、時計は遅いものの、持ったままの手応えが抜群だった
アドマイヤネアルコ(栗東・友道康夫厩舎)といったあたり。
馬場差は、8日、9日とも、非常に時計の速い『-2.0秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒】
追い切りはいつも通り、平穏に落ち着いて50頭前後。時計の出方としては、乾燥した状態が続いていることから、少しだけ時計の掛かるような印象がある。今週に限っては、ラスト1Fも11秒台前半を出すことが少し難しくなっている。
馬場差は先週までの「-1.0秒」よりも時計を要する『-0.7秒』で、8日、9日とも観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)