川崎競馬場(天候・雨、馬場状態・不良)で行われた3歳牝馬によるダート
グレード競走・農林水産大臣賞典第50回関東オークス(JpnII・2100m・3歳オープン・牝馬限定・1着賞金3200万円)は、南関東から5頭、JRAから4頭、他地区3頭の合わせて12頭が出走した。
スタートして、兵庫の
トーコーニーケが気合をつけて出て行ったが、その内からJRAの
エスメラルディーナが楽に交わして先頭に立った。
ほぼ一団になった中、結局ペースを握ったのは
エスメラルディーナ、2番手に船橋の
イエスアイキャンが上がり、その内にほとんど差がなく
トーコーニーケ、JRAの
ローブデソワ、高知の
クロスオーバー、JRAの
アムールブリエと続いた。
向正面では、先頭と2番手は変わらないが、その後ろに
ローブデソワと
ディルガのJRA2頭が上昇を始めた。先行集団が固まってきたが、3〜4コーナーにかけて先頭の
エスメラルディーナが後続を引き離し始めた。
直線に入っても
エスメラルディーナの勢いはさらに増し、最後は7馬身差の圧勝。勝ちタイムは2分16秒6だった。鞍上はC.ウィ
リアムズ騎手。ウィ
リアムズ騎手は
エスメラルディーナと3度目のコンビだった。2着には兵庫の
トーコーニーケが入り健闘を見せた。3着はJRAの
アムールブリエだった。
勝った
エスメラルディーナは父Harlan's
Holiday、母Tasha's Star(その父Spanish
Steps)という血統の牝3歳・鹿毛馬。JRA美浦・斎藤誠調教師の管理馬。通算成績は5戦3勝(うち地方2戦1勝)、重賞は3度目の挑戦で初めての制覇となった。斎藤誠厩舎は、
ヌーヴォレコルトで勝ったオークスに続き、中央と地方の両オークスを制覇したことになる。
●レース後の関係者のコメント
1着
エスメラルディーナ(C.ウィ
リアムズ騎手)
「今日は、盛り上がったレースに参加できた上に、勝つことができて、嬉しく思っています。川崎に来てから、出張馬房で馬の様子を見て、状態の良さが伝わりました。前走の園田は砂が合わなかったのか、2着でした。今日は砂が合っているかどうかは分かりませんが、自分のペースで逃げられました。4コーナーまで自分の思うように動いてくれて、最後の直線では
ゴーサインにグッと反応してくれました。馬が成長していることも分かりましたし、スタッフの努力も感じられました。調子が良く、強い馬であることを再認識しました。やはりダートが一番合うと思います。ここはあくまで
ステップで、これからもっと上を目指してくれると思います。」
(斎藤誠調教師)
「天候が悪く、心配していましたが、力を存分に発揮してくれました。(中央・地方両オークスを制したことは)嬉しく、馬主に感謝しています。前回は兵庫での競馬でしたが、牡馬相手に頑張って、疲れていました。レース後はノーザン
ファーム天栄へリフレッシュ放牧に出して、良い状態で厩舎に帰ってきました。ジョッキーはこの馬のことを良く分かっていて、"みんな同じ条件だし、力さえ発揮できれば勝てる"と言っていました。スタートは少し立ち遅れましたが、その後はマイペースで行けました。私は先頭か2番手がいいと思っていたのですが、先頭に立ったのはウィ
リアムズ騎手らしいなと思いました。ペースが思ったより遅く、後ろが団子状態だったので、4コーナーを先頭で回れて良かったです。レースに出ている馬は皆同じ条件の中、うちの馬もよく頑張ってくれました。正直マイラーだと思っていましたが、今日の馬場や距離などをこなせたので、視野が広がって今後も楽しみです。これまで優しい馬という印象でしたが、今は女性らしくキリっとしてきて、その点で角が立たないように、今後オン・オフを切り替えて調整できれば良いと思います。今日は全力投球だったので、馬の様子を見ながら次のことは考えたいです。」
2着
トーコーニーケ(川原正一騎手)
「理想のポジションで、あとは展開やレースの流れを考えるだけでした。左回りも練習して、それが結果に結びついて良かったです。ハードなトレーニングをしてきた中、飼い葉はしっかり食べていました。前に行ったらどの程度力があるかと思っていましたが、よく頑張ってくれました。レースごとに勉強していて、学習能力のある馬です。」
3着
アムールブリエ(武豊騎手)
「まくって行きたいと思っていましたが、手応えがなく、進んで行きませんでした。良い馬なのですがね...。自分から気持ちを出してくれるとレースがしやすいのですが。長い距離は合うと思います。」
(取材:米田元気)