秋のGI戦線を目標とする牝馬にとって重要なステップレースで、昨年は東京五輪余波で函館開催となったが、今年は以前同様に札幌競馬場で行われる。コーナーを4回まわる1800m戦で逃げ、先行馬が有利であることは間違いないが、牝馬限定の別定戦だけに実力馬に有利な舞台だ。

　◎ホウオウピースフルは巴賞の優勝馬。札幌競馬場はデビュー戦を飾った相性の良い競馬場で、この馬も2歳時に新馬、百日草特別を連勝し、フローラS2着でオークスに駒を進めた実力馬。テンションが上がりやすく、順調に使い込むことができずに出世が遅れたものの460キロ台でデビューした馬体が500キロにまで成長し、そして精神的にも落ち着きが出て実力を発揮できるようになってきた。半兄ブラストワンピースは有馬記念優勝馬である一方で札幌記念優勝馬でもある。

　〇ウォーターナビレラはファンタジーS優勝馬で、桜花賞2着馬。昨年夏のデビューから新馬、サフラン賞、そしてファンタジーSとそれぞれ異なる距離、そして競馬場で3連勝。その後は勝ちきれないながらも阪神ジュベナイルフィリーズ3着、チューリップ賞5着と世代トップクラスの実力馬たちと互角に渡り合ってきた。ここはオークス以来の競馬となるが、デビュー戦に勝利しているくらいだから久々を苦にするタイプとも思えず、むしろ小回りの1800mは不安よりも楽しみの方が大きい。

　▲サトノセシルは昨年の3着馬。当時は2勝クラスを勝ったばかりの格上挑戦だったが、勝ち馬とは0.1秒差3着。そのレース内容が評価されて、札幌記念では4番人気の支持を得ている。その後、8か月の休養を挟んで3勝クラスで2着、4着のち再びこの舞台へと駒を進めてきた。少々気難しいところもあるので、滞在競馬はプラスなのかもしれない。

　△ローザノワールはディセンバーS優勝馬でヴィクトリマイル4着馬。1回函館10日目に組まれた昨年は逃げて勝ち馬から0.4秒差6着だったが、今回は開幕2週目。例年よりも時計がかかる馬場状態になっているのはダートで4勝を挙げている同馬にとっては有利な材料かもしれない。

　昨年2着△マジックキャッスル、札幌競馬場2戦2勝△ラヴユーライヴ、良血△ゴルトベルクも立ち回りが上手なタイプだから、小回り競馬場で見直したい1頭だ。