【愛知杯】アートハウス、大人の走りで重賞2勝目 折り合い苦労せず道中3番手からラスト最速33秒9

2023年01月15日 06:00

最速の末脚で堂々と抜け出すアートハウス

◆第60回愛知杯・G3(1月14日、中京競馬場・芝2000メートル)

 牝馬重賞の第60回愛知杯・G3は14日、中京競馬場で15頭によって争われ、アートハウス(川田)が1番人気に応えて1馬身3/4差で快勝した。重賞は同舞台のローズSに続く2勝目。昨年の牝馬3冠戦線でも奮闘した期待のヒロイン候補が、今春のG1初タイトルへ弾みをつけた。

 曇天の空を切り裂くような末脚が明るい未来を予感させた。重馬場をものともせず、アートハウスは馬場の真ん中を力強く伸び、メンバー最速33秒9の脚で他馬をねじ伏せた。「道中をリズム良く走ってこられたので、直線もいい雰囲気で最後まで走ってくれたと思います」。鞍上の川田はクールだったが、今後へ向けて大きな収穫があった。

 好発を決めると道中は外めの3番手を追走。以前のように折り合いに苦労する場面もなかった。手応え良く直線を向くと、ラスト1ハロンでの鞍上のムチでエンジン点火。後続を一瞬で突き放した。「競馬を非常に穏やかに迎えられたことが、こういう結果につながったと思います」。オークス7着、秋華賞5着。高い能力を持ちながら強すぎる前進気勢がネックだったが、4歳を迎えて大人になった。「調教で前ほど難しさを出さなくなってきた。心身とも成長してくれている」と、中内田調教師も目を細めた。

 次のターゲットはもちろんG1初制覇。トレーナーは「牝馬限定戦にこの距離がないので非常に悩んでいます」と明言を避けたが、2000メートルにこだわるなら大阪杯(4月2日、阪神)、牝馬限定戦ならヴィクトリアマイル(5月14日、東京)が視野に入る。「これだけ雰囲気が変わって、レース内容が良くなっているので続けていけるようにしたい」と鞍上。無限の可能性を秘める4歳馬が、大きな一歩を刻んだ。(戸田 和彦)

 アートハウス 父スクリーンヒーロー、母パールコード(父ヴィクトワールピサ)。栗東・中内田充正厩舎所属の牝4歳。北海道浦河町・三嶋牧場の生産。通算7戦4勝。総獲得賞金は1億2972万9000円。重賞2勝目。主な勝ち鞍は22年ローズS・G2。馬主はH・H・シェイク・ファハド氏。

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