「チューリップ賞・G2」(3月2日、阪神)
来年で定年を迎える国枝栄調教師(69)=美浦。10年
アパパネ、18年
アーモンドアイで牝馬3冠を達成している名伯楽が今年の牝馬クラシック戦線へ期待する一頭を送り込む。関東から唯一参戦する
ルージュナリッシュが川田とのコンビで重賞初挑戦。魅力的な血統背景を持つ期待馬が桜花賞(4月13日・阪神)の優先出走権を獲得を目指す。
名伯楽のラストクラシックを飾るためにも、出走権獲得は至上命令だ。1勝馬の
ルージュナリッシュは、前走の春菜賞では勝ち馬とタイム差なしの3着と好走。初の1400メートルにも難なく対応し、適応能力の高さを示した。来年で定年を迎える国枝師は「前回はちょっとの差で負けてしまい、もったいなかったね。気のいいタイプだし、レース後も元気いっぱい。状態も悪くないよ」と順調に来ていることを何より喜んだ。
今回は初めての重賞挑戦で初の長距離輸送と、乗り越えなければならない壁は多い。それでもこれまで幾多の名牝を育て上げてきた師は泰然自若の構えだ。「カイバの食いもいいので輸送はこたえないだろう。距離が1600メートルに戻るのはプラスだし、川田にも期待したいところだね」と、同馬と初コンビを組む名手の手綱さばきに全幅の信頼を寄せる。
血統背景も魅力的だ。
ドレフォン産駒では東京新聞杯を
ウォーターリヒトが制覇。芝、ダートを問わず距離適性はマイルがぴったりの印象だ。半兄には昨年の中山記念を制した
マテンロウスカイがいる筋の通った一族だけに、重賞の舞台でも見劣りはしない。
「ただ行くだけの展開だけでは厳しいけれど、前回で控える競馬ができたことは大きい。相手に合わせる走りができれば楽しみはあると思うよ」と指揮官。厩舎の偉大な先輩たちの後を追うべく、まずは桜の切符を全力で勝ち取りにいく。