派手なアクションは必要ない。エプソムC3着以来となるセイクリッドバレーは、美浦坂路の2本目に追い切られた。ゆったりとしたぺースで最後まで鞍上の手が動くことはなく、4F52秒5-37秒9-12秒0でフィニッシュ。時計は平凡でも動きは確かだ。「予定通りだね」。高橋裕師は満足げにうなずいた。「鞍上はつかまっていただけ。やればやり過ぎてしまうから指示通りに乗ってくれたよ」。2週前には坂路で4F52秒5、1週前にも同52秒6と時計をマークしており、乗り込み量は十分。これで態勢は整った。
新潟は[3・2・0・2]と実績を残している得意のコースだ。「前走は後ろからになったが、年齢のせいか、落ち着きが出て追い込み一辺倒ではなくなったから」。指揮官は自信満々にほほ笑む。前走の悔しさを晴らすには絶好のチャンス。ベストのステージで重賞2勝目を目指す。
気配の良さではスズジュピターも負けていない。最終追い切りは朝一番の美浦W。残り4Fからピッチを上げる内容とはいえ、直線で気合をつけられると真っすぐにゴールを貫いた。単走でマークしたタイムは5F69秒0-38秒2-12秒4。中間は7月16日の初時計を皮切りに、Wでビシビシと攻め込んで4本の追い切りを消化してきた。「先週も(5F)67秒台のところを追っているし、けさは最後の反応を確かめた。ここを目標に調整してきて、いい雰囲気だね」と高橋裕師は表情を緩ませた。念願の重賞初Vへ、感触は申し分ない。
提供:デイリースポーツ