6月10日(土)に武豊騎手騎乗でデビュー予定のコーディエライト(撮影:井内利彰)
先週からスタートしたメイクデビュー。初日の阪神芝1600mは当欄でも紹介したケイアイノーテック(栗東・平田修厩舎)が一番人気の支持に応えて勝利。走破時計は平凡でも、追い切り時点で動いている馬が多数集まったレースでもあり、2着以下に敗れた馬の今後の成績も気になるところ。
今週の阪神開催は距離が1200mと1400mの芝レース。どちらでも対応できるという馬も多いため、出走予定を固定せずにメンバーを見ての両睨みという陣営も多い。よって、ここで紹介するのは、あくまで取材した時点での番組予定とご了承いただきたい。
【6月10日(土) 阪神芝1400m】
◆コーディエライト(牝、父ダイワメジャー、母ダークサファイア、栗東・佐々木晶三厩舎)
同厩舎で管理され、函館芝1200mの新馬戦を勝ったローガンサファイアの全妹。キンシャサノキセキ産駒である半兄サフィロスも8月新潟の芝1200m未勝利戦を勝ち上がった後、同じく新潟芝1200mのカンナSを勝利しており、この時期の短い距離には実績がある血統。
それだけに佐々木晶三調教師も芝1200mを使うことも検討していたが、6月1日の追い切りでの乗り手の感触も参考にして、ここを使うことを決定。栗東坂路でスパイクナードを追走する追い切りだったが、追われてからしっかり伸びて、4F54.1秒、1F12.4秒をマーク。ゲート試験時のスタート、ダッシュは水準だったので、立ち遅れることなくレースの流れに乗っていくことができれば、自然と結果もついてくるだろう。鞍上は武豊騎手が予定されている。
◆ステラローザ(牝、父ロードカナロア、母ピーチブローフィズ、栗東・斉藤崇史厩舎)
母系に2007年フローラSを制し、同年オークスで2着したベッラレイアがいる血統。本馬は4月に栗東へ入厩して、ゲート試験合格後に放牧。当初からこの番組を目標に調整を進めており、それを逆算して、5月になって栗東へ帰厩している。
6月1日のCWコースでの追い切りには、レースでも騎乗が予定されている福永祐一騎手が跨った。アシャカリブラを追走して、少し遅れてのゴールだったが、追われてからはしっかり伸びていた。斉藤崇史調教師は「追い切りをやるたびに動きが良くなっていますし、ここまで順調に来ました」と手応えを感じている。
【6月11日(日) 阪神芝1200m】
◆タガノプレトリア(牡、父ヨハネスブルグ、母タガノティアーズ、栗東・宮徹厩舎)
同厩舎で管理されている半兄タガノディグオは兵庫チャンピオンシップ(園田ダート1870m)で重賞勝ち。父がエンパイアメーカーからヨハネスブルグに替わったこともあってか、本馬に関しては「芝の短い距離が合っている」と宮徹調教師。
中間の追い切りでは目立って速い時計が出ていないが「後ろから追いかけられたら、どこまでも行きそう」とはレースでも騎乗予定の川島信二騎手。宮調教師も「ゲートから出した時もスピードに乗って止まらなかったし、追い切りではあえて時計を出していないだけ。やれば動くと思うよ」と自信を見せる。
◆ノーブルジャーニー(牝、父ドリームジャーニー、母ティンバーランド、栗東・宮本博厩舎)
おじに2008年スプリングSを制し、同年日本ダービーで2着したスマイルジャックがいる血統。2017年JRAブリーズアップセールにて、1000万円で落札されている。こちらは「短い距離がいいと思うので、1200mでも1400mでもどちらでも対応できそう。メンバーなんかも見ながら、どちらを使うか最後まで悩むことになると思います」と宮本博調教師。
5月31日はレースでも騎乗が予定されている高倉稜騎手が跨って、CWコースでの併せ馬。最後の追い比べで1馬身ほど遅れたが、6F83.4秒、1F12.0秒は新馬として水準以上の時計。あとは最終追い切りでどのくらい動けるかにも注目したい。
(取材・写真:井内利彰)